2011-02-11から1日間の記事一覧

『ある夢想家の手帖から 全六巻』(沼正三著)潮出版社

戦後のカストリ雑誌『奇譚クラブ』に連載されていた作品を、ほぼ完全な形で纏めた本である。(都市出版社や太田出版から出ているものは抄録本で、”ほぼ”と記したのは不定期連載「沼正三便り」の一部と、ヤプーの「中絶お詫びのご挨拶」記事、告発ともいえる…

『蒼眸の悪魔 全二巻』(千草忠夫著) 日本出版社

本書は、千草忠夫さんの代表作というわけではない。千草本は未読が多いので、あえて印象に残った小品を取り上げてみた。千草さんは、英語教師という肩書きを持ちながら、雑誌「奇譚クラブ」に随筆を投稿したことから文筆業に携わるようになった人である。団…