2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『さらば雑司ヶ谷』(樋口毅宏著) 新潮社

「カッコ良すぎるぜ!毅宏さん!!」読後感は、この一言に尽きる。 まず、この本の装画(牧かほり)と装幀(新潮社装幀室)が洒落ている。天地と腹部分の小口は真っ黒で、手垢の汚れもわからないくらいだ。カバーを外すと、表裏の上段に英語で小さく白文字で…

『成吉思汗の秘密 新装版』(高木彬光著) 光文社文庫

海外ミステリー、ジョセフィン・テイ著『時の娘』のベッド・ディテクティヴ(病院で入院中している探偵役の患者が過去の資料を元に推理を展開する)という形式に、高木彬光さんが感化されて書き下ろした斬新で意欲的な推理小説である。出版された当時は随分…

『彷書月刊』(2009年10月号 特集・草森紳一の右手) 彷徨舎

草森紳一さんの名前は、だいぶ前から知っていた。そこには、ジャンルを問わずに様々な雑誌に読み易い短文を寄せていた器用な随筆家といった記憶しか残っていなかった。おそらく、新刊雑誌を熟読せずに読み飛ばす癖のある私は、草森さんのことを強烈な個性を…