2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『ゴルの巨鳥戦士』(ジョン・ノーマン著・永井淳訳) SF創元推理文庫

SFスペースオペラと銘打って出版されたジョン・ノーマンの代表作である。その後シリーズ化されたが、本書が一作目。 この小説との出会いは、ジョン・ノーマンを扱ったHP「Far East of Gor 極東のゴル」を目にしたのがきっかけだった。(”奴隷を扱った小説”に…

『淫檻』(千草忠夫著) マドンナメイト

SMファンに『復讐の鞭が鳴る』の題名で、74年10月〜75年1月まで連載されたもの。(千草忠夫のファンサイト《不適応者の群れ》情報)千草忠夫さんの執筆の場が、「奇譚クラブ」から「裏窓」「SMファン」「SMコレクター」等の他誌へ移っていった時期の作品であ…

『奇譚クラブの人々』(北原童夢・早乙女宏美共著) 河出文庫

戦後数多く発刊されたSM雑誌の走りとも言える「奇譚クラブ」に携わった人達を、随筆形式で紹介したものである。沼正三著の『ある夢想家の手帖から』について書いた時にも感じたことだが、エッセイは紹介するのが非常に困難で、内容を詳細に取り上げようとす…

『粘膜人間』(飴村行著) 角川ホラー文庫

このブログの題名の由来になり、一部のマニアが絶賛した『粘膜人間』の登場だ。本書は、飴村行さんのホラー大賞への投稿作であり、デビュー作でもある。このミス(このミステリーがすごい!)を読まなくなって十年近くにもなるが、この手の小説を読み落して…

『ある夢想家の手帖から 全六巻』(沼正三著)潮出版社

戦後のカストリ雑誌『奇譚クラブ』に連載されていた作品を、ほぼ完全な形で纏めた本である。(都市出版社や太田出版から出ているものは抄録本で、”ほぼ”と記したのは不定期連載「沼正三便り」の一部と、ヤプーの「中絶お詫びのご挨拶」記事、告発ともいえる…

『蒼眸の悪魔 全二巻』(千草忠夫著) 日本出版社

本書は、千草忠夫さんの代表作というわけではない。千草本は未読が多いので、あえて印象に残った小品を取り上げてみた。千草さんは、英語教師という肩書きを持ちながら、雑誌「奇譚クラブ」に随筆を投稿したことから文筆業に携わるようになった人である。団…