2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『悪魔王国の秘密』(監修 佐藤有文) 立風書房

HP「書肆月詠」で紹介された年少者向けの悪魔学本である。内容は児童書とは思えないくらい、邪悪な匂いを沸々と漂わせている。 「書肆月詠」によれば「ビッグジャガーズスペシャル」と銘々され、佐藤有文さんの監修で『ソロモン王の魔法術』と本書の二冊が刊…

『刺青殺人事件』(高木彬光著) 光文社文庫

推理小説ファンの間では知る人ぞ知る、高木彬光さんのデビュー作である。 当時高木さんは、何かに取り憑かれたような状態に陥り、僅か三週間で一気に書き上げたらしい。その後、高木さんは発表の場に困り、江戸川乱歩さんに直接原稿を送って、意外にも好評を…

『家畜小屋』 (池田得太郎著) 中央公論社

この小説を知ったのは、敬愛するHP 「書肆月詠」に掲載された、『金羊毛』という「季刊幻想文学」の前身となった同人誌(創刊号)の紹介記事を見かけたことによる。そこに書かれた、”内容は池田得太郎『家畜小屋』(中央公論社)を発掘したりと、かなりマニ…

『裁判官の書斎 全五冊』(倉田卓次著) 勁草書房/判例タイムズ社

迂闊だった。著者の倉田さんがご高齢なので、御身体のことを少々気にかけていたのだが、今年の1/30にお亡くなられたことを本日知った。裁判官・公証人・弁護士を務めて、八十九歳で死去されたそうだ。正に、天寿を全うされたと言って良いように思う。心から…